「畔蒜不動産」——この四文字を競馬新聞の馬主欄で見つけたとき、畔蒜は本当に声が出た。自分の苗字とまったく同じ会社が、馬主をやっている。そしてその持ち馬の名は、アービルジョージ。
いや、もう運命だと思った。アービルで、ジョージで、畔蒜。つなげれば「畔蒜ジョージ」だ。今日からこの馬は畔蒜の馬である(勝手に)。
そのジョージが今日、大井の新馬戦でデビューした。ダート1000m、馬番1番、2番人気。畔蒜は仕事を半休にして馬券を握りしめ、スタンドの一番下から声を張り上げた。
そうしたら、なんと——いきなり勝った。堂々の1着である。タイムは1分02秒1、鞍上は坂井英光騎手。畔蒜は飛び上がり、気づけば知らないおじさんと肩を組んでいた。
デビュー戦で勝つ馬なんて、そうそういない。やっぱりジョージは特別だ。ジョージ、これからよろしくな。長い付き合いになる気がするぞ。