年が明けて2月。ジョージはまた1番人気に推された。大井のダート1500m、馬番6番。畔蒜も「今年も勝つぞ」と意気込んでいた。
ところが、レースは伸びを欠いて7着。1番人気を裏切る結果になった。タイムは1分37秒6、鞍上はいつもの坂井英光騎手。畔蒜はスタンドで、しばらく言葉が出なかった。
そして——これが、ジョージの最後のレースになった。あの一戦が引退レースだったと、畔蒜は後から知った。きちんとお別れも言えなかったのが、今も心残りだ。
でも、いいんだ。1番人気で負けたって、畔蒜はジョージを愛してる。むしろ、最後に人気を裏切るあたりが、マイペースなジョージらしいじゃないか。畔蒜も朝が弱い。やっぱり気が合う。
通算6戦3勝、勝率5割。獲得賞金は723万円。地味かもしれないが、堂々たる成績だ。デビュー戦を勝ち、1年の休み明けから盛り返して二つ勝った。立派な競走馬人生だった。
アービルジョージ、お疲れさま。そして、いい馬を持ってくれた畔蒜不動産さん、本当にありがとう。
……ところで畔蒜不動産さん、私、畔蒜って言うんです。今度よかったらお茶でもどうですか。(返事はなかった)